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人事・労務

傷病手当金の支給期間について教えてください

Q.
工務店を営んでいます。
3年前に採用した社員が2020年の秋にメンタル不調で2カ月ほど休職しその後、復職しましたが、昨年末に再発して現在も休職中です。
これまでは傷病手当金を請求していますが、支給期間の期限である1年6カ月が今年の春に到来します。
今後どのようにしたらよいのでしょうか。

A.
傷病手当金は病気やけがで働けなくなった場合、健康保険から1日あたり「直近12カ月の標準報酬月額を平均した額」の「30分の1に相当する額」の「3分の2に相当する金額」がもらえます。
2021年末までは傷病手当金の支給期間は、支給開始日から暦の上で1年6カ月間となっていました。
そのため病気が回復して職場復帰後に再度働けなくなった場合、復帰後の期間は考慮されず支給開始日から1年6カ月が経過したら傷病手当金はもらえませんでした。
これが改正され2022年1月1日以降は、実際に傷病手当金をもらっていた期間(日数)を通算して、1年6カ月が経過するまでは給付を受けられることになりました。
なお今回の改正では2021年12月末日までに支給開始日から1年6カ月を経過していない人は、経過措置があるため今春の期限到来はないでしょう。


呉で就業規則の作成・見直しは上中田社会保険労務士事務所にお任せください。
人事・労務

呉で就業規則の作成・見直しは上中田社会保険労務士事務所にお任せください。

新型コロナウイルスの流行が連日報道されています。
インフルエンザもそうですが、いざ、社員が感染症に罹患した場合、会社としてはどのようにすべきか。
厚生労働省からガイドラインが示されています。

【ガイドラインはこちら】
情報は随時更新されていくと思われます。

いずれにしても、いざ社員が罹患した場合を想定してあらかじめ就業規則等で対応を規定しておくことで、速やかな対処とトラブルの防止が図られます。

また、今年の4月からは大企業・労働者派遣事業所では「同一労働同一賃金」の施行が始まります。今後、均衡待遇・均等待遇が求められますので、就業規則・賃金規定等の見直しが必要です。

呉で就業規則の作成・見直しは、上中田社会保険労務士事務所までお申し付けください。
℡ 0823-25-5015 平日9:00~18:00


人事・労務

雇用保険料免除制度が廃止されます(2020年4月~)

<令和2年4月から雇用保険料の免除が廃止されます。>

平成29年に改正され、雇用保険の適用拡大として、65歳以降も雇用保険の被保険者となりました。ただし、年度当初の時点で64歳以上の被保険者については、雇用保険料が被保険者(従業員)、会社ともに免除されていました(免除高齢者)。

今年、令和2年4月分からは、この免除制度が廃止になりますので、給与計算時には注意が必要です。

[例]

・末日締め、翌月5日支給の場合:5月5日支給分の給与から控除

・15日締め、当月25日支給の場合:4月25日支給分から控除

また労働保険料の年度更新事務をどのように申告されているかによっても、雇用保険料の徴収時期が異なってくる場合があります。

ご不明な点等がございましたら、お問い合わせください。

電話(0823)32-2105


従業員によるSNSの不適切投稿を防ぐにはどうすればいい?
人事・労務

従業員によるSNSの不適切投稿を防ぐにはどうすればいい?

 SNSが普及する昨今、モラルの低い従業員による不適切なSNS投稿が問題になっています。
●外食チェーン店のアルバイトが冷凍庫の中に入って撮影した写真をSNSに投稿したことが広がり、閉店に追い込まれた。
●コンビニエンスストアのアルバイトが氷菓の冷凍庫に入って撮った写真をSNSにアップしたことが広がり、氷菓全商品の撤去、購入客への返金を余儀なくされた。
上記のような非常識なSNS投稿が原因で、企業イメージが損なわれ、社会的信用を失うことがあります。今回は、SNSトラブルを防ぐための方法についてご説明します。

SNSトラブルを防ぐための4つのアクション

このようなSNSトラブルを未然に防ぐため、企業としては何をすればいいのか。主に次の4つのアクションを取りましょう。

(1)SNSガイドラインを制定する
会社の実情に合った、SNSに関するガイドラインを制定しましょう。どんな投稿がOKで、ど
んな投稿がNGなのか、具体的事例を交えて定め
ます。不適切な投稿がなされてしまったときの
対応方法も明確にしましょう。

(2)就業規則の服務規程を改定する
就業規則に最低限次の内容を記載しておくのがよいでしょう。業態によってアレンジを加えてください。
●勤務時間中のSNSへの投稿を禁止する
●自社の機密情報、取引先の重要な情報、他人の不都合となる情報をSNSに投稿してはいけない
●自社の不利益になる発言(会社批判、誹謗中傷)をSNSに投稿してはいけない
●規則違反を行った場合は、懲戒処分を施す。会社に損害を与えた場合は、損害賠償を請求する
服務規定は正社員以外にも、契約社員、アルバイト等全従業員を対象とすることを示しておくことが必要です。

(3)全従業員に教育する
SNSガイドラインに基づく教育を、全従業員を対象に行います。従業員の入社時には、必ず研修するようにしましょう。

(4)「機密保持に関する誓約書」を全従業員から提出させる
就業規則に「機密保持」と「誓約書の提出をする旨」を定めることが必要です。この定めがない場合は、従業員は誓約書への署名を拒否できるので注意しましょう。既存の全従業員から誓約書を取得し、今後入社する従業員からは入社時に取り付けるようにしましょう。

 どんな企業でも、SNSの不適切投稿でダメージを受ける危険性があります。「うちの従業員に限って」と過信するのは禁物です。しっかりとした対策を取っておきましょう。


『ストレスチェック』の実施が義務づけられました
人事・労務

『ストレスチェック』の実施が義務づけられました

労働安全衛生法第66条の10により、従業員数が常時50人以上(※1)の事業場には、年に1回『ストレスチェック』を実施することが義務づけられています。では、そもそも“ストレス”とはどのようなものを指すのでしょうか? 今回は、ストレスに関する基礎知識をお伝えします。

外部からのあらゆる刺激(ストレッサー)によって心や身体に負荷がかかり、“歪み”が生じることを“ストレス”といいます。もともと物理学で『物体に力が加わったときに生じる“ひずみ”』を意味する言葉として使用されていましたが、カナダのハンス・セリエ博士が医学の領域で用いたことにより定着したといわれています。
なお、ストレスの原因としては、人間関係や仕事(残業の多さ・休暇の少なさも含む)のほか、パソコンなどを長時間操作することによる疲れなど、さまざまな要因が考えられるでしょう。そして、それらのストレスが限度を超えてしまうと、以下のような不調を引き起こす原因となるのです。

●不眠症
●うつ病
●自律神経失調症
●胃炎(急性・慢性・神経性)
●頭痛
●過敏性腸症候群
●胃潰瘍
●十二指腸潰瘍

なお、ストレスに対処するためには、症状が出る前に心や身体のサインを早めに発見することが大切です。そのため、“労働者のメンタルヘルス不調の未然防止”として『ストレスチェック制度』の実施が義務付けられています。

主に、以下の流れにそって実施します。
(1)実施前に、事業場の衛生委員会などで“実施体制や方法”を審議・決定し、社内規定を定める
(2)事業者は、ストレスチェックの趣旨・社内規定を労働者に周知する
(3)医師や保健師などの実施者によって、ストレスチェックを実施
(4)実施者が労働者に結果を直接通知。必要がある場合には、相談窓口の利用や医師による面接指導を受けるよう勧奨(※2)
仮に、従業員がストレスによって病気を患った場合、適切なストレスチェックの実施など“予防のための努力”を事業者が講じていなければ、損害賠償請求などの問題に発展する可能性もあります。産業医や相談窓口の設置など、積極的に従業員のメンタルケアに取り組んでいくことが重要です。
※1 パートタイム労働者や派遣労働者も含みます。ただし、契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です。
※2 事業者への結果通知は、労働者から同意を得た場合のみ行われます。


人事・労務

フルタイムで働くパート社員の 社会保険を未加入にできる?

弁当や総菜の製造・販売をされているお客様より、

『従業員は10人前後が入れ替わりながら働いている状態です。フルタイムで働いているパート社員の社会保険を未加入にしたいのですが、それは可能なのでしょうか?』

というご質問をいただきました。今回はこちらについて解説させていただきます。

結論的には、

法人の場合、従業員が1人でもいると強制加入となります。
個人であれば、『従業員数』と『事業の種類』によって判断されます。

事業所が健康保険に加入するかどうかは、以下の3つによって決まります。
●事業の態様(法人・個人)
●従業員数
●事業の種類
法人であれば、従業員が1人でもいれば強制加入となります。
個人の場合、従業員が5人以上であれば強制加入の対象となりますが、非適用事業であれば加入
する必要はありません。
非適用事業とは以下の通りです。
●農業
●牧畜業
●水産養殖業
●漁業
●サービス業(ホテル、旅館、理容、娯楽、スポーツ、保養施設などのレジャー産業)
●法務(弁護士、税理士、社会保険労務士など)
●宗教(神社、寺院、教会など)
今回のケースは、弁当や総菜の『製造』と『販売』を行っているので、強制適用の対象となりま
す。

 

これに対して、飲食・料理業は以下の理由から非適用事業となります。『料理店・飲食店等は物の販
売のみが目的ではなく、場所の提供、サービス等も含んでおり、社会通念上も販売業とは区別されて
いる』(昭18・4・5・保発905号)。

一つの事業所で異種の事業が併存的に行われる場合は、『一つの事業が他の事業に従属附帯するときは、「主なる事業」と一体的にその適用を決定』します(昭25・11・30保文発3082発)。
『主なる事業』が販売であれば、従業員が5人以上の場合に限り、社会保険に加入する義務が生じます。『主なる事業』が飲食店であれば、従業員規模に関係なく非適用事業所として扱われます。