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人事・労務

『ストレスチェック』の実施が義務づけられました

労働安全衛生法第66条の10により、従業員数が常時50人以上(※1)の事業場には、年に1回『ストレスチェック』を実施することが義務づけられています。では、そもそも“ストレス”とはどのようなものを指すのでしょうか? 今回は、ストレスに関する基礎知識をお伝えします。

外部からのあらゆる刺激(ストレッサー)によって心や身体に負荷がかかり、“歪み”が生じることを“ストレス”といいます。もともと物理学で『物体に力が加わったときに生じる“ひずみ”』を意味する言葉として使用されていましたが、カナダのハンス・セリエ博士が医学の領域で用いたことにより定着したといわれています。
なお、ストレスの原因としては、人間関係や仕事(残業の多さ・休暇の少なさも含む)のほか、パソコンなどを長時間操作することによる疲れなど、さまざまな要因が考えられるでしょう。そして、それらのストレスが限度を超えてしまうと、以下のような不調を引き起こす原因となるのです。

●不眠症
●うつ病
●自律神経失調症
●胃炎(急性・慢性・神経性)
●頭痛
●過敏性腸症候群
●胃潰瘍
●十二指腸潰瘍

なお、ストレスに対処するためには、症状が出る前に心や身体のサインを早めに発見することが大切です。そのため、“労働者のメンタルヘルス不調の未然防止”として『ストレスチェック制度』の実施が義務付けられています。

主に、以下の流れにそって実施します。
(1)実施前に、事業場の衛生委員会などで“実施体制や方法”を審議・決定し、社内規定を定める
(2)事業者は、ストレスチェックの趣旨・社内規定を労働者に周知する
(3)医師や保健師などの実施者によって、ストレスチェックを実施
(4)実施者が労働者に結果を直接通知。必要がある場合には、相談窓口の利用や医師による面接指導を受けるよう勧奨(※2)
仮に、従業員がストレスによって病気を患った場合、適切なストレスチェックの実施など“予防のための努力”を事業者が講じていなければ、損害賠償請求などの問題に発展する可能性もあります。産業医や相談窓口の設置など、積極的に従業員のメンタルケアに取り組んでいくことが重要です。
※1 パートタイム労働者や派遣労働者も含みます。ただし、契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です。
※2 事業者への結果通知は、労働者から同意を得た場合のみ行われます。