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4割弱の中小企業が マイナス金利政策効果で資金調達を検討
商工中金は10月に「マイナス金利政策による中小企業の資金調達への影響調査」の結果を公開しました。調査によると、4割弱の中小企業がマイナス金利政策効果で資金調達を検討していることがわかりました。
グラフ1は「金利が低下した場合の新規資金調達の有無」について表しています。36.8%の中小企業が「新規資金を調達する」と回答したことが判明しました。
なお、「新規資金を調達する」と回答した割合を、現在の業況別に見ると、次のようになります。
業況が「非常に良い」「良い」の順番に割合が低くなっている一方で「非常に悪い」企業も4割超の高い割合を占めています。業績の良い企業では、先行投資や業容拡大を目指し前向きな資金調達への意欲が強く、業績が悪い企業は、資金繰りの安定化と業況回復を期待した資金調達のニーズが高いことが考えられます。
グラフ2は「新規資金を調達する目的」を示しています。
新規資金調達の目的としては「資金繰り安定化」が71.4%に上りました。中小企業では資金繰りに対する不安が大きいため、マイナス金利政策で借入金利が低下した場合に、資金繰りの安定性を強化しようとする狙いがうかがえます。
続いて「設備の代替や補修などの設備投資資金」が36.8%で、「新設設備の投資資金」29.0%という結果でした。設備資金は一度に多額の資金が必要となる場合が多く、金利低下で投資意欲が高まっている側面も見られます。
「新規資金を調達しない」理由のトップは「借入を増やしたくない」
なお、「新規資金を調達しない」と回答した企業が挙げた理由は以下になります。
●借入を増やしたくない…66.1%
●投資すべきものが見当たらない…30.3%
●自己資金が潤沢にある…17.3%
●金利が低下しても資金調達のメリットが少ない
…14.0%
金利低下のメリットを享受するよりも、借入負担の増大による経営の自由度低下を懸念したものと考えられます。