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助成金

高年齢者無期雇用転換コース

令和元年も残すところあとわずか(12月27日に書いています)。来年度は、高年齢者の雇用拡大に向けて、新たな助成金も予定されているようです。

今回は、現行の「65歳超雇用推進助成金」の中の「高年齢者無期雇用転換コース」のご案内です。

対象となる措置

 高年齢者無期雇用転換コースの対象となる事業主が、次の対象労働者に対して、有期雇用の高年齢者を安定した雇用形態の転換する措置を、2と3により実施した場合に受給することができます。

1.対象労働者

 「対象労働者」は次の(1)~(5)のいずれにも該当する労働者です。

(1)申請事業主が雇用している通算雇用期間が6カ月以上5年未満の労働者で、50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者であること

(2)無期雇用への転換日において、64歳以上の者でないこと

(3)労働契約法第18条に基づき、労働者からの申込みにより無期雇用に転換した者でないこと

(4)無期雇用労働者として雇用することを約して雇入れられた有期契約労働者でないこと

(5)無期雇用への転換日の前日から過去3年以内に、当該事業主の事業所に無期雇用労働者として雇用されたことがないこと

(6)支給申請日の前日において、当該事業主の事業所の雇用保険被保険者であること

※派遣労働者は含まれません。

2.無期雇用転換計画の認定

 「無期雇用転換計画」を作成し、それについて、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に提出して、その認定を受けること。

 なお、無期雇用転換計画書提出日において、事業主は、次の(1)および(2)を満たしていることが必要です。

(1)有期契約労働者を無期雇用労働者に転換する制度を労働協約又は就業規則その他これに準ずるものに規定していること

(2)高年齢者雇用推進者の選任に加え、次の①~⑦の高年齢者雇用管理に関する措置を1つ以上実施していること

①職業能力の開発および向上のための教育訓練の実施等

②作業施設・方法の改善

③健康管理、安全衛生の配慮

④職域の拡大

⑤知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進

⑥賃金体系の見直し

⑦勤務時間制度の弾力化

3.無期雇用への転換の実施

 2.の無期協転換計画に基づき、対象労働者に対する次の(1)~(4)のすべてを満たす措置を実施したこと

(1)対象となる有期契約労働者を計画実施期間内に無期雇用労働者に転換すること

(2)(1)の転換後、6カ月以上継続して雇用し、6か月分の賃金を支払ったこと

(3)支給申請日において制度を継続して運用していること

(4)転換した対象労働者を65歳以上まで雇用する見込みがあること

助成金の支給金額

 本助成金コースの支給額は、対象労働者1人につき48万円(中小企業以外38万円)です。

 生産性要件を満たしていることが確認できた事業主については、対象労働者1人につき60万円(中小企業以外48万円)が支給されます。

 対象労働者の合計人数は、1支給申請年度1適用事業所あたり10人が上限となります。

助成金申請までの流れ

①就業規則等で無期転換制度を規定し、所轄労働基準監督署への届出および労働者への周知

②高年齢者雇用推進者の選任

③無期転換計画書の提出(計画期間開始日の6カ月前~2カ月前まで)

④6カ月以上継続して雇用した有期契約労働者を制度に則り、無期雇用へ転換

⑤6カ月継続して雇用し、6か月分の賃金を支給

⑥6か月分の賃金を支払った日の翌日から起算して2カ月以内に、支給申請書を提出

その他こと

本助成金は、キャリアップ助成金の正社員化コースや無期転換コースと同じような内容ですが、同じ労働者に対して、併給することはできません。どちらか一方の制度からの受給となります。

キャリアップ助成金の正社員化コースでは賃金額5%アップ等が要件になります。助成金の支給金額も57万円となります。逆に高年齢者無期転換コースでは、支給金額は48万円ですが、賃金5%アップの要件等はありません。

助成金に関するご相談・支給申請手続きについて

本助成金の支給に当たっては就業規則の見直し等も必要となってきます。複雑な計画書や助成金支給申請手続きに関しては。当事務所へお申し付けください。

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